店長ブログ

紀州漆器は和歌山だけど、、全国漆器産地情報

当店山家漆器店が位置する和歌山県海南市黒江。黒江塗り、紀州塗りなどの愛称で知られる紀州漆器産地には紀州漆器協同組合が存在し、数多くの漆器問屋・メーカーが所属しております。

組合に所属せずこじんまりと営業されている塗師さんや問屋さんもいらっしゃいますので100軒は優に超えるかと思います。

そんな紀州漆器ですが、全国に点在する漆器産地・漆器協同組合のたった一つに過ぎません。

日本を代表する輪島塗りでお馴染みの輪島漆器や越前漆器や山中漆器、そして会津漆器の福島県などが最もポピュラーな漆器産地でしょうか。

しかしそれ以外にも全国津々浦々漆器産地というものは点在しており、紀州漆器もその一つに過ぎません。

僕自身、紀州漆器産地の会社様ですら全軒把握など難しい中で全国に一体どれだけの漆器事業者様がいるのか、、と思うと驚きです。

生活様式が変わり、漆器そのものの需要が減っている中で、全国各地の漆器産地も衰退はしているようですが、その中でも若手の職人や新しい魅せ方をする動きが出てきており、全国的にも面白い業界であることは間違いありません。

本日はそんな各漆器産地がどこにあるのか?どういう特徴があるのかなどをご紹介できればと思います。

青森県漆器協同組合(青森県)

青森県で生産されている、津軽塗。
「唐塗」等、独特な模様が特徴の漆器です。

津軽塗は、蒔絵などを用いずに漆で模様を描いていきます。
塗り方にも様々なバリエーションがあり、特に「唐塗」「ななこ塗」「錦塗」「紋紗塗」の4種が代表的な技法とされています。

岩手県漆器協同組合(岩手県)

秀衡塗や浄法寺塗りなどが特徴です。

浄法寺は漆の産地でもある為、上質な国産漆を用いた製品が作られます。
このこともあり、漆本来の美しさを味わってもらう為に余分な装飾は施さず、無地のシンプルな製品が多いです。

鳴子漆器協同組合(宮城県)

鳴子漆器とは宮城県(大崎市)で主に生産される伝統的工芸品です。
元々は温泉街のお土産として誕生した漆器です。

鳴子漆器は17世紀頃、温泉に来た客向けのお土産品として生産が始まりました。

秋田県漆器協同組合(秋田県)

川連漆器とは秋田県(湯沢市)で主に生産される伝統的工芸品です。
非常に丈夫な漆器で、日常の器としても人気です。

会津漆器協同組合(福島県)

会津塗とは福島県で主に生産される伝統的工芸品です。
16世紀頃から生産されており、海外にも輸出される漆器です。

伝統鎌倉彫事業協同組合(神奈川県)

鎌倉彫とは神奈川県で主に生産される漆工芸品で、木地に模様を彫りこみ、その上に漆を塗り重ねて作ります。

伝統小田原漆器組合(神奈川県)

小田原漆器とは神奈川県で主に生産される伝統的工芸品です。
木そのものが持つ木目を生かした塗りが施される漆器で、摺漆仕上げや木地呂漆仕上げが用いられます。

村上堆朱事業協同組合(新潟県)

村上木彫堆朱とは新潟県(村上市)で主に生産される漆工芸です。

村上木彫堆朱は13世紀頃に大陸から伝わった堆朱をルーツとしており、その堆朱をベースに、木彫りに朱漆を塗るといった独自の発展を遂げてきました。

新潟市漆器同業組合(新潟県)

新潟漆器とは新潟県で主に生産される伝統的工芸品です。
竹塗に代表されるように、ユニークな製品が多い漆器です。

木曽漆器工業協同組合(長野県)

木曽漆器とは長野県で主に生産される伝統的工芸品です。
17世紀頃、元々生産していた木製品を丈夫にする為に漆塗りを施したことが起源とされます。
その後は土産品としても人気となりました。

伝統工芸高岡漆器協同組合(富山県)

高岡漆器の代表的な技法として、彫刻を施した木地の上に漆を塗る「彫刻塗」、貝殻を使う螺鈿細工を用いる「青貝塗」、錆絵に花や鳥などの文様を施す「勇助塗」の3種があります。

輪島漆器商工業協同組合(石川県)

輪島塗とは石川県(輪島市)で主に生産される伝統的工芸品です。
日本に数多くある漆器の中でも代表的な存在とされています。

山中漆器連合協同組合(石川県)

山中漆器とは石川県で主に生産される伝統的工芸品です。
挽物木地の産地としても有名な山中地区で作られる漆器です。

金沢漆器商工業協同組合(石川県)

金沢漆器とは石川県(金沢市、野々市市、河北郡内灘町)で主に生産される伝統的工芸品です。

飛騨春慶連合協同組合(岐阜県)

岐阜県で作られる伝統的工芸品、飛騨春慶(ひだしゅんけい)。
琥珀色が美しい漆器です。

越前漆器協同組合(福井県)

越前漆器とは福井県で主に生産される漆器です。越前漆器は渋下地を用いている為に非常に丈夫で、業務用の漆器としても高いシェアを誇り、旅館などでも多く用いられています。

若狭漆器協同組合(福井県)

若狭塗とは福井県で主に生産される伝統的工芸品です。
卵殻や松葉を用いる独特の模様が特徴的な漆器です。

京都漆器工芸協同組合(京都府)

京漆器とは京都府で主に生産される伝統的工芸品です。
よく手に馴染み、口ざわりの良い漆器とされています。

紀州漆器協同組合(和歌山県)

紀州漆器とは和歌山県で主に生産される伝統的工芸品です。

紀州漆器は15世紀頃から生産されていた木地の椀に、漆を施したのが起源とされています。
これは根来寺の僧が日常用の漆器を作ったものとされています。

大内塗漆器振興協同組合(山口県)

大内塗とは山口県で主に生産される漆器です。

大内塗は茶色がかった朱色に特徴があり、そこに蒔絵や切箔などで装飾が施されます。
特に丸みがあり可愛らしい大内人形が有名で、海外でも人気となっています。

香川県漆器工業協同組合(香川県)

香川県で生産される伝統工芸品、香川漆器。現在では、60程の工房が香川漆器作りに取り組み、日々伝統を繋ぎながら、新たな製品づくりに取り組んでいます。

琉球漆器事業協同組合(沖縄県)

琉球漆器とは沖縄県で主に生産される伝統的工芸品です。琉球漆器は「螺鈿」、「沈金」、「箔絵」といった装飾が施され、豪華絢爛で派手な漆器として人気が高いです。

まとめ

とりあえず各産地の組合とちょっとした塗りの特徴を文字で書き起こしてみました。

写真があればと思ったのですが、当店で持っている各産地の良い写真がありませんでしたので掲載できませんでした。

でもどうでしょうか?皆さんこれだけ多くの漆器産地が全国にあることをご存知でしたでしょうか?

僕自身もほとんどの産地を実際に見れているわけではなく、これから少しずつ全国の産地を訪れてみたいと考えています。

日本の漆器産業が衰退することなく、むしろこれから加速し日本だけでなく世界に撃って出ていけるよう当店も一生懸命日々努力していかなければいけませんね!

これを書き起こして再度認識されました。。頑張ります!