こんにちは、山家漆器店 店長の山家優一です。

本日はあまり触れてきませんでしたが、今年の初めころから日本国内だけでなく、世界中を襲っている新型コロナウィルスですが、

この漆器業界でも大きな影響が出ています。

もちろん各産地や、商品特性などにより一概には言えませんが、個人的に感じている影響などをここに記したいと思います。

卒業式

まず時期的にも厳しい状況であったのは、3月がピークを迎える卒業式です。

「卒業式に漆器？」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、卒業証書を入れるお盆、校長先生の前にありませんでしたか？？

あれは賞状盆（しょうじょうぼん）と言いまして、当店の強みの一つでもある賞状盆の需要が大幅に減ったことは各産地においても大きな影響であったのではないかと思います。

当店に関しても例年の10%程度の注文だったのではないかと思います。

同じように入学式でも多少は注文をいただけていたので、そちらの需要もありませんでした。

叙勲祝い

「叙勲（じょくん）」というお言葉をご存知でしょうか？

テレビやニュースなどで毎年のように取り上げられますので、耳なじみのある方もいらっしゃるのではないかと思います。

参照ページを引用をしますと、、、

国家や公共事業に功労のあった人に勲等を授け、勲章を与えること

日本では各界の功労者に対して毎年春と秋に授与される春秋叙勲と、警察官や自衛官など危険性の高い業務に励んだ方へ授与される危険業務従事者叙勲、各界の功労者が亡くなった際に授与される死亡叙勲などがあります。

出典元：「ギフトコンシェルジュ」様 ringbell.co.jp/giftconcierge/3226

とあり、国から贈られる勲章と考えていただいて構いません。

実はこの2020年4月においても叙勲の付与がございました。しかし今年に関しては例年に比べニュースなども少なかったように思います。

また我々漆器業界としては、叙勲を受けた方々を囲む祝いのイベントなどが各地で開催されるのですが、そのイベントや内祝いなどに使っていただく記念品の需要が大幅に減少傾向でした。

当店も叙勲祝いに関しては例年たくさんのご注文をいただくだけに、目に見えて受注が少ないと感じさせられました。

外国人の方へのプレゼント

これも目に見えて減ったなと感じました。

当店が取り扱う商品には、和柄の小物なども多く、海外の方へのお土産やプレゼントとして使い勝手が良いと選んでいただける商品もたくさんございます。

しかし、3月以降国内の企業様の海外出張や、ホームステイ、海外留学などがピタリとなくなりました。

出張や留学自体がなくなったというより、飛行機そのものが飛んでいませんでしたからね。。。

そのような手土産、特に企業名や企業ロゴを入れて贈られる漆器記念品・ギフト漆器などの需要は大幅に減少しました。

ここ最近は特定の国へのビジネス渡航などは解禁となりましたが、まだまだ最低限の出張に留まるでしょうし、回復まで時間がかかるのではと考えます。。

外国の方からの直接のご注文

上とは似ているようで少し違うのが、上は日本の方が外国の方にプレゼントするためのギフト需要でしたが、今回は外国の方が直接使うための需要や、現地で販売するための仕入れ需要です。

まず3月から4月頃に起こったのが、注文は入るのですが、飛行機が飛ばないため送れずキャンセルをせざるを得なかったこと。

その時はオーストラリアやドイツのお客様からのオーダーが入っていたと記憶していますが、仕方なくキャンセルをさせていただくことにしました。

また、昨年から一緒にお仕事をしていた香港のイベント会社様からもリピートオーダーがある予定だった4月～5月にかけて、現地のイベントが開催できずリピート需要がなくなってしまいました。

致し方なしではございますが、紀州漆器製品をどんどん海外の方にも知っていただくぞ！と頑張ってきていただだけに、特に残念なのはここかもしれません。。

最後に

まだまだ様々なところで影響は出ているかと思いますが、少し新型コロナウィルスを振り返ってみようかなと思い、記しました。

まだまだ猛威をふるう新型コロナウィルスですが、これが収まってもまた近いうちに同じようなことが起こりうる可能性があるということで、我々としてもただ良い物をつくって届ければ良いという発想では生き残ることも難しい、新しい時代の局面を迎えたなと、気持ちをさらに引き締められる思いをしたこの半年だったと感じています。

TwitterなどのSNSなどで同業他社さまと交わらせていただくと、各産地・各分野において影響が様々出ているようです。

それでも多くの事業者さまは前を向いて新しいことに取り組んだり、新商品をさらに開発したり、このコロナ禍でも大きくステップアップされており、こちらもとても元気をもらっています。

まだまだ続く不透明な現状ではございますが、当店も負けじと頑張って行きたいと思います！